
Mr Smith
2005年のはじめに、新しいタイプのアクセサリーとしてJimi Walletが誕生しました。それまでアクセサリーについては、素材や環境への影響、社会問題についての配慮はされていませんでした。Mr Smithは、そんな現状に疑問を持ち環境にやさしい素材を使った、デザイン性に優れている高品質で誰もが欲しがる製品を、適切な価格で提供することを目指しました。完成したJimi Walletは、米国では5州、世界的には約350の市で販売されています。機能性とデザイン性にも優れた製品を集めることで有名なニューヨークの MoMAや、クーパーヒューイット国立デザイン美術館のミュージアムショップ、またエジプトの海辺リゾートの小さなスキューバダイビング店に至るまで販売が広がっています。


■インタビュー:Jimi Walletのデザイナー、マイク・オニール氏に聞きました。
【 Q 】jimi Walletのアイディアは何がきっかけで生まれたのですが?
他の多くの製品と同様に、Jimi Walletも不満の中から生まれました。私はサイフを持ち歩くのがいつも嫌いでした。財布は、必要のない使用済みのバスの切符や、期限の切れた図書カードや、領収書などで重くかさばってしまうからです。 1996年、私がサンフランシスコの広告会社で働いている時のことですが、自分のコンピュータに使うビデオカードを受け取りました。それは丁度クリスマスに子供が高価なプレゼントを貰ったときのような喜びでしたが、実際の感激は商品そのものでなく、それが入っているプラスチックの入れ物でした。その入れ物から中のビデオカードが透けて見え、ヒンジで上部が開くようになっている為、私にとってサイフとして使うには理想的でした。 3~4枚のクレジットカードと運転免許証が入れられ、しかも中が透けて見えるため、空港では身分証明書を見せるのもケースを開けるだけ、レジでカードを使う場合も、サイフから取り出すことなく機械に読み取らせることが出来ました。いろいろな場所で同様の使い方をする度に大勢の人から素晴らしいコメントを貰い、そういった中から、自分と同様の理由でサイフ嫌いの人が大勢いるのだということを確信するようになり、Jimi Walletのアイディアが芽生えてきました。
【 Q 】Jimi Walletに使用されている素材は、何か特別な理由で選択されたのですか?
Jimi Walletにどのような素材を使うかは、その実用性がもっとも重要な要素でした。内部がみえるようにする為には、まずプラスチックでなければなりません。外部ケースはヒンジが必要ですからポリプロピレンを選びました。ポリプロピレンは薄いヒンジをケースと一体で成型できるだけでなく、ヒンジの強度も100万回近くの繰り返し試験に耐えられる程素晴らしいものです。加えて手に持った時の感触が柔らかく、我々が求める感触を理想的に満足させてくれる優位性があります。他にも、とうもろこしを原料とするプラスチックなどいろいろ試しましたが、いずれもヒンジの強度が満足できるものではありませんでした。内部ケースのポリカーボネイトは、半透明性と取り外しがきく事と一定の剛性と強度が必要なことから自然な選択でした。外装ケースも内装ケースも、共に石油を原料としてつくられたものですが、一方ではお客様を満足させる機能を備えながら、他方では工業用廃棄物の有効活用(リサイクル、再リサイクルが可能な材料を使用)と無毒性着色料の使用で、環境に与える影響を最小限に抑えています。
【 Q 】お客様へのメッセージを何かお願いできますか?
Jimi Walletは、日本人が好むクリーンで無駄を省いたデザイン、リサイクル可能な素材の利用、コンパクトでしかも非常に機能的なデザインから決定的な影響を受けてデザインされたものです。実は、Jimiという名前自体が日本語のシンプルで飾り気のない「地味」という言葉を文字ってつけたものですから、日本での販売はJimi Walletが自分の生まれ故郷に帰るようなものです。アメリカには既に多くのJimi愛好家がいますが、日本においても同様にJimi Walletのファンがたくさん生まれることを願っています。